あなたの“疲れ”は、身体ではなく「脳」が原因！？
デスクワークの疲れや精神的疲労、そして運動の疲労、
これらは全て「脳」の疲れです。
実は、あなたの体の疲れの正体は、脳の疲れかもしれません。
毎日のコンディションを整える上での天敵は“疲れ”です。
疲れが残ったままでは体調は上向きません。
脳の疲れを解消すれば、あなたの身体の疲労もスッキリ解消できるはず。
今回は、脳の疲れを解消する方法を解説します。
目次
脳の疲れの正体とは？
まず知ってほしいのは、疲れの本当の正体です。
私たちはデスクワークで疲れるのは精神的な疲労で、運動で疲れるのは肉体的な疲労、と分けて考えがちですが、
実際は疲労に心身のボーダーはありません。
すべての疲労は脳の疲労と言われています。
大阪市立大学大学院の梶本修美教授の研究では、
4時間体に負担をかけ続けても、筋肉にも肝機能にもほとんど影響がないことがわかっています。
運動で脳が疲れるのは、筋肉の収縮はもちろん、血液循環や体温上昇の抑制などを、
水面下ですべて脳がコントロールしているからです。
疲れが抜けないうちに次の運動をすると、けがなどのトラブルを起こしやすいのは、
脳が無意識に行っているコントロールが、脳の疲労のせいで乱れてしまい、動作やフォームに微妙なズレが起こってしまうからです。
心身のコンディショニングでは、脳から疲れを取ることを最優先すべきです。
脳の疲れは自律神経の疲れ
脳の中でも1番疲れるのは、自律神経です。
自律神経は、呼吸、消化・吸収、血液循環の程度を調節し、人体を活動的に整える交感神経と
休息へ向かわせる副交感神経からなっています。
ストレス状況下で暮らす現代人は、特に交感神経が過剰に働き、脳の疲労を招いてしまいます。
例えば、眼精疲労は目の疲れではなく、自律神経の疲れと言われています。
目は交感神経が優位になると遠くが見えるようにレンズを薄くし、
副交感神経が優位になると近くが見えるように、レンズを厚くします。
赤ちゃんに授乳する母親はリラックスモードで副交感神経優位で近くを見ているので、眼精疲労は起きません。
しかし、現代人はPC作業など、仕事中に交感神経優位で近くを見ています。
この矛盾が自律神経を疲れさせるのです。
疲労の始まりは、過度な活動で生じた有害な活性酸素による酸化ストレスによって
疲労を招く疲労因子が分泌されることです。
疲労因子が増えると、疲労を回復させるための疲労回復因子が出るようになっています。
この疲労因子と回復因子のバランスが乱れて、疲労因子が強く働くと、脳疲労が溜まってしまいます。
朝起きた時の感覚で疲労感をモニタリング
『疲労』と『疲労感』は厳密には異なります。
自律神経の疲労を、疲労感と自覚するのは脳の“前頭葉”という部分です。
前頭葉は意欲、達成感の中枢で、前頭葉が異常発達した人は、意欲・達成感が疲労感を容易に消してしまいます。
「徹夜したプレゼンが成功する」といった達成感があると、疲労はあれど疲労感はありません。
この疲労感を感じない疲労が、疲労の蓄積を招き、過労死のリスクを高めてしまっています。
疲労の蓄積を避けるために試したいのは、疲労を招く負荷量とそれによる疲労度の見える化です。
負荷には大きく、運動・行動・デスクワーク過度・飲酒・その他上司からのプレッシャーや知人との喧嘩など、
様々なものがあります。
翌朝起きた瞬間に、前頭葉が働く前の感覚で、どのくらい疲れが残っているかをモニタリングして、
疲労度ができるだけ少なくなるように負荷量の調整を行いましょう。
「脳」疲労を取るために
疲労をとるために出来ることについては、次回の記事で詳しく解説します。
疲労を取るためには、セルフケアも大切ですが、セルフケアだけでは限界がある場合も多いです。
そんな時は、専門家の力を借りるのも一つの手です。
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参考文献：Tarzan No.757 2019年2月14日号
発行人：西田 善太
編集人：山口 淳
株式会社 マガジンハウス