あなたの便秘はどのタイプ? 便秘の種類と改善方法
あなたは便秘で悩んでいませんか?
20代〜50代の女性の約4割が日常的な便秘で悩んでいるという調査もあります。
慢性的な便秘にはいくつかタイプがあり、そのタイプによって改善方法も異なります。
あなたが悩む便秘の種類と改善方法をチェックして、スッキリお腹を目指しましょう!
目次
- ○ 便秘の3つのタイプ
- ・大腸通過時間『遅延』型
- ・大腸通過時間『正常』型
- ・便排出障害型
- ○ 下剤を使うのは注意
- ○ 便秘の特効薬:食物繊維
- ・食物繊維を簡単に摂る方法
- ○ 便秘に効果的なおやつ
- ○ まとめ
便秘の3つのタイプ
便秘を訴える人は多いですが、単に便通が悪いだけで便秘と自己判断することはできません。
便秘を改めて医学的に定義すると、「便がちゃんと溜まっているのに3日以上排便がない状態」
または「毎日排便があっても残便感がある状態」となります。(日本内科学会より)
毎日お通じがスッキリ出るのが理想的ですが、便秘に悩む方は多いです。
特に女性は便秘になりやすく、不規則な生活を送っている人ほど、便秘を抱えている印象です。
そして、便秘を抱えている方は、他にもたくさんの身体や心の不調を抱えている方が多いです。
慢性的な便秘には、大腸にがんなどの異常がある“器質性便秘”と、
異常がないのに腸の働きが落ちて生じる“機能性便秘”の2つがあります。
大半の人が日常的に悩むものは“機能性便秘”です。
“機能性便秘”には、
①大腸通過時間『遅延』型
②大腸通過時間『正常』型
③便排出障害型
の3つのタイプがあります。
大腸通過時間『遅延』型
大腸通過時間『遅延』型は、腸管の蠕動運動(ぜんどううんどう:便を運ぶ動き)が不十分で、
便の移動スピードが遅く、排便回数や排便量が減るものです。
便秘というときに多くの人がイメージするのはこのタイプです。
大腸通過時間『正常』型
大腸通過時間『正常』型は、移動スピードが遅くないにもかかわらず、腹痛を伴う便通異常が見受けられるものです。
食生活に起因することが多いです。
便排出障害型
便排出障害型は、便が直腸まで来ているのに出すに出せない状態のことをいいます。
婦人科手術や神経障害などがきっかけとなりますが、便を我慢してしまうクセがあるなど、
それ以外の起因でも起こる可能性があります。
下剤を使うのは注意
便秘をすると即、下剤を飲もうとする人は多いです。
そして、病院でも安易に下剤を出す医者もいます。
しかし、大腸通過時間『遅延』型 以外の方は、下剤では必ずしも便秘を解消できないこともあるので注意が必要です。
便秘=下剤という思い込みがまかり通る現状はかなり危険です。
大腸通過時間『正常』型を直すなら、食生活の見直しに重点を置くのが正解です。
通過時間が正常範囲なのに便通異常がある場合、便の材料にもなる発酵食品や腸内細菌のエサとなる食物繊維の取り方に問題があることが多々あります。
コンビニ弁当や丼もの、ハンバーガーなどのファストフードでは、1食4g前後しか食物繊維が取れないこともあり、
普段の食事がファストフード多めの人は、まともな便が出ないのは当然です。
ただし、大腸通過時間『遅延』型では、食事で食物繊維を増やすと便秘が悪化することがあります。
便秘と一言で片付けず、どのタイプかを慎重に見極めることが重要です。
便排出障害型では、個々のケースに応じた排便の最適化が効果的になります。
直腸に便がたまったタイミングを見計らい、無理しなくても便が出せるように
座薬や浣腸を上手に使うことも選択肢の1つです。
それを何度か行うと座薬や浣腸がなくても自力で出せるようになるのですが、
座薬や浣腸に頼りすぎないようにしましょう!
座薬や浣腸を使う前に、予防・改善を目指すことが重要です。
便秘の特効薬:食物繊維
食物繊維は腸をきれいにする掃除屋さんの役割をしてくれます。
腸内で老廃物や食べカスを回収しながら、最終的には便となって不要なものを排出してくれます。
この食物繊維を日頃から取るようにすれば、おのずと便秘知らずの体になります。
食物繊維は人間の消化酵素で消化されにくい栄養素の総称で、大きく分けて不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2つがあります。
水溶性食物繊維の方が、便秘には効果的です。
不溶性食物繊維は、腸の水分を吸って膨らむという特性があります。
不溶性食物繊維を多く含むものは、バナナ、ゴボウ、こんにゃく、オクラ、枝豆、タコノコなどです。
水分を吸って膨らむため、便秘中に不溶性食物繊維を多く取ってしまうと
おなかが張って苦しくなり、便秘の水分も吸い取られて便が硬くなる、という逆効果になってしまいます。
一方、水溶性食物繊維はその名の通り水に溶けるのが特徴です。
水溶性食物繊維を多く含むものは、海藻、きのこ類、芋類、小麦、麦芽や全粒粉入りのパンやシリアルなどです。
腸の中の水分に溶け込んで、便を柔らかくしてくれるため、便秘解消に効果があります。
ただ、どんな食材も不溶性と水溶性の食物繊維の両方含まれているので、神経質に覚える必要はありません。
海藻、野菜、キノコ類を積極的に摂るように意識すればバッチリです。
食物繊維を簡単に摂る方法
食物繊維を手軽に簡単に摂るには、日本人のソウルフード味噌汁がオススメです!
ナメコやエノキタケには食物繊維がたっぷり含まれています。
便秘解消屋がん予防、さらに抗がん作用もあります。
ナメコやエノキタケの味噌汁を飲むことで、便秘の予防や改善に効果が期待できます。
さらに味噌汁なら、発酵食品の味噌が腸内環境を整えてくれて、温かい汁物なので、胃腸にも優しいです。
水を加えると流れ出てしまう食材の栄養素も、味噌汁にすればスープとして飲むことができます。
便秘に効果的なおやつ
便秘解消のためのおやつは、クルミやピーナッツなどのナッツ類がオススメです。
アーモンドやピスタチオ、クルミなどのナッツは、ひと粒あたり50〜60%が脂肪分です。
そう考えると、食べるのを躊躇してしまいそうですが、ナッツの脂肪分は体に良い不飽和脂肪酸です。
悪玉コレステロールを減らし、糖尿病の予防に役立つオメガ3系が含まれています。
おやつには、甘いものを食べて糖質をとるのではなく、栄養価の高いクルミやアーモンドをつまみましょう。
食物繊維が豊富なので、便通もスムーズになります。
ナッツの選び方
・無塩のものを選ぶ
・いろんなナッツを食べるとバランスよく栄養素を摂取できる
・迷ったらクルミを選ぶ
ナッツの中でも、1番理想的に不飽和脂肪酸が含まれているのがクルミです。
クルミには良質な脂肪分の他に、食物繊維やタンパク質、ビタミン、ミネラルなど、
身体に有効な栄養素が多く含まれています。
ほかのナッツと違い、ローストすることで栄養価がアップします。
ただし、食べ過ぎはニキビや吹き出物、肥満の原因にもなるので、
クルミなら25g、手のひら1杯半が目安です。
まとめ
・大半の人が日常的に悩むものは“機能性便秘”で、3つのタイプがある
・便秘=下剤という思い込みはかなり危険
・食物繊維を日頃から取るようにすれば、おのずと便秘知らずの体になる
・海藻、野菜、キノコ類を積極的に摂るように意識すればOK
・ナメコやエノキタケの味噌汁を飲むことで、便秘の予防や改善に効果が期待できる
・ナッツは食物繊維が豊富なので、便通もスムーズになる
参考文献:Tarzan No.771 2019年9月12日号
発行人:西田 善太
編集人:山口 淳
株式会社 マガジンハウス
参考文献:オトナ女子の不調をなくす カラダにいいこと大全
発行者:鶴巻 謙介
監修者:小池 弘人
発行・発売:サンクチュアリ出版