ブログ

Blog

食べて太る人と食べても太らない人の違い 前編

皆さんも一度は、痩せることに興味を持ったり、今の体型を維持したいと思っているのではないでしょうか?
しかし、女性にとってダイエットの話に興味があるって、少し恥ずかしい思いを持つ方もいらっしゃると思います。

それでも、自分を変えたい!とか理想の自分に近づきたいって人に知ってほしい、
「食べて太る人と食べても太らない人の違い」について解説していきます。

目次

食事を気にしているのに太ってしまうのはなぜ!?

「実は食事を制限すれば痩せる」っていうのは厳密には間違っているんです。
メディアやSNSでも、『これを食べれば痩せる!』とか『〇〇置き換えダイエット』っていう情報が溢れていますよね。
それも効果が全く出ないってわけではないんですが、人間の体の仕組みに基づいたものではないことが多いです。

「えー!メディアの情報は正しいと思ってた!」とか「SNSで紹介されていた方法やサプリメント試したけど、間違いだったの?」
ってショックを受けた方も多いのではないでしょうか?

それを踏まえて、研究や海外の論文に基づいた情報をお伝えします。

まず初めに知っておいてほしいことは、消費エネルギーの内訳です。
大人が1日に食事から1500kcalを摂取するとして、食事代謝(食事によって消費するエネルギー)が約10%、活動代謝(運動によって消費するエネルギー)が約30%(450kcal)、そしてなんと残りの約60%(900kcal)が基礎代謝なんです。

基礎代謝とは?

基礎代謝は人間として生きるのに必要な最小限度のエネルギー量です。
息を吸ったり、吐いたり、全身に血液を送るために心臓を動かしたり、脳を働かせたり、
ホルモンや免疫系を調整したり、食べ物を消化したり、体温を37℃に保つために必要なエネルギーです。

要するに、基礎代謝は“私たちが何もしない時のエネルギー消費量”であり、
眠っている時のエネルギー消費量にほぼ等しいと言われています。

寝ているだけで、1日の60%のエネルギーを消費しているなんて、驚きですよね!

活動代謝と食事代謝

「活動代謝」は、日常生活の中で、歩いたり、走ったりなど体を動かすために使うエネルギーです。
活動代謝は、動きの少ない生活をしている人は小さく、活発に動く人では大きくなります。
デスクワークの人は、もちろん活動代謝は低くなります。

「食事代謝」は、食べるときに口で咀嚼し、胃腸で消化・吸収する際に、熱として奪われるエネルギーです。
この量は年をとってもあまり変わらないので、ダイエットには大きな影響を及ぼしません。

太ってしまう原因

太るということは、摂取エネルギー>消費エネルギーとなっている状態です。
痩せたければ、反対に消費エネルギーが摂取エネルギーを上回り、エネルギー収支がマイナスになれば、自然と痩せます。

こう聞くと、答えは実はシンプルです。痩せるには消費エネルギーを高めればいいと思いますよね。
しかし、多くの方が体型に悩み、ダイエットに挑戦しているのも事実…

みなさんが一番に考えることは、消費エネルギーを高めるには、運動が大切 ということではないでしょうか?
しかし、実は運動だけに頼って体脂肪を減らすのは、簡単ではないんです。

人の脂肪組織は、純粋な脂肪が80%と、水分が約20%からできてます。
例えば、お腹周りにくっついた邪魔な体脂肪1kgを燃やす場合を一緒に考えてみましょう。

あなたのお腹の脂肪が1kgなくなったら、みなさん嬉しいですよね。

エネルギーに換算すると、脂肪1gは体内で9kcalに変わります。
なので、体脂肪1kgを燃やすには、1000g × 9kcal × 0.8=7200kcalを消費しなければなりません。
7200kcalってかなり相当な量ですよね。

この7200kcalを消費するには、どのくらいの運動が必要かというと、
体重60kgの人が7200kcalを消費するには、水泳ならなんと14時間、ランニングなら12時間も体を動かす必要があるんです。

取り組む人が多いランニングを1日に20分したとしても、150kcalしか消費できません。
鮭100gで140kcalなので、ランニング後に鮭の切り身を食べたら、プラマイゼロになってしまいます。

砂糖の悪影響

そして、ランニングや軽い運動をした後に、汗をかいたからと
水分補給にスポーツドリンクを飲む方も多いのではないでしょうか?
もしかしたら、日常的に飲んでいる人もいるかもしれません。

そのスポーツドリンク500ml中には、砂糖が30g入っています。
どのメーカーのスポーツドリンクでも同じくらいの量の砂糖が入っていますが、この砂糖だけで、カロリーは120kcalになってしまいます。
スポーツドリンクは決して健康に良い飲み物ではないので、普段の生活でもダイエット中でも気をつけて摂取してください。

また、砂糖は肝臓や膵臓といった臓器の周りに脂肪(内臓脂肪)をつけてしまいます。
より痩せにくい体になってしまうので、砂糖の取り過ぎに注意しましょう!

このように運動だけで減量しようとするのは、プロのスポーツ選手でもない私たちのような一般人には理想的ではないです。
実は、太る人と太らない人の違いに、運動は大きな影響を与えません。

私たちがダイエットをするためには、食べる量(摂取エネルギー)を減らさなければなりません。
太る体質だから、食べなくても太るというのはあり得ないので、実はあなたが思っているよりも食べているのです。

カロリー制限で痩せるのは難しい

ここまでで運動だけでは減量は難しい、とわかっていただけたと思います。
それなら、カロリー制限を厳格に実践すれば、効果的に痩せられると感じたと思います。

確かに、カロリー制限をして摂取エネルギーを大幅に、それも急激に減らすと、1〜2ヶ月間は劇的に痩せることができます。
『やっぱり、カロリー制限は効果的なんだ!』と、明日から実践してみようって思う方もいるのではないでしょうか?

しかし、実はこのカロリー制限の話には続きがあるんです…

カロリー制限をすると、1〜2ヶ月は劇的に痩せるんですが、その後は体重が減らなくなることが研究でわかっています。
そして、目標体重に到達して安定したものと安心して、ダイエット前の食事に戻すと、
みるみる太って元の状態、あるいはそれ以上に太ったというのが、
よく聞く「リバウンド」や「ダイエット太り」と呼ばれる現象です。

では、なぜ人間はダイエットするとリバウンドが起こるのでしょうか?

これは、カロリー制限によるダイエットによって、脂肪だけでなく筋肉も一緒に落ちてしまうからです。
筋肉が落ちれば、1日の60%を占める基礎代謝も低下してしまうので、消費エネルギーも低下します。

しかも、厳格なカロリー制限によって、急激な体重減少は起こっているので、これを脳は生物としての危機として捉えます。
直ちに脳は指令を出し、食べ物のエネルギーを効率よく脂肪に変換して蓄えるように体質を変えてしまいます。
これを「適応」といいます。
この適応によって、体脂肪を燃やす遺伝子の働きをオフにしてしまうのです。

こうして脂肪が溜まりやすい体質に変わったころ、厳しいダイエットによってストレスが蓄積し、
イライラが募り、低カロリー食に嫌気がさしてきます。
筋肉が落ち、基礎代謝がさがったときに、ダイエット前の食事に戻すと、
体重は一気に回復するだけでなく、以前よりもさらに太ってしまうのです。

カロリー制限を厳格に実践するだけだと、低下した体重を維持するのは難しいので、
長期的に理想の体を手に入れる方法としてはおすすめできません。

まとめ

・1日の消費エネルギーは10%が食事、30%が運動、残りの60%が基礎代謝
・ランニング20分で150kcalしか消費できないので、運動だけでは、ダイエットは難しい
・カロリー制限だけだと、筋肉量が落ちて、代謝が下がるので、のちのちリバウンドしやすい

今回のテーマ「太る人と太らない人の違い」については
後編にも続きますので、ぜひご覧になってください。


参考文献:それホントに体にいい?無駄?「健康神話」を科学的に検証する
著者:生田 哲
発行所:株式会社 草思社

SHARE
シェアする

ブログ一覧

ページの先頭へ