コーヒーを飲むことは健康にいい?メリットとデメリットを徹底解説!
コーヒーは、世界で最も愛されている飲み物の一つです。
1杯のコーヒーなしに朝が始まらないという人も多いのではないでしょうか?
コーヒーにはさまざまな効果があり、それを私たちがどう解釈するかによって、メリットにもデメリットにもなります。
本当にコーヒーは健康にいいのか?確かめてみましょう!
目次
- ○ コーヒーの効果
- ○ 抗酸化物質の効果
- ・抗酸化物質とコーヒーの関係性
- ○ コーヒーのデメリット
- ・デメリットへの対処法
- ○ コーヒーの依存性
- ・カフェインへの耐性について
- ・カフェインの注意点
- ○ コーヒーとの付き合い方
コーヒーの効果
コーヒーは脳を興奮させることがわかっています。コーヒーを1日に1〜2杯飲むとすると、コーヒー1杯(約180mL)に含まれるカフェインは約100mgです。このカフェインが体に入ると、脳の表面にある大脳皮質が強く興奮するため、覚醒し、眠気や疲労を感じにくくなります。
気分は上向き、快活になり、舌もよく回り、社交的になります。その上、集中力が高まり、テキパキと行動できるため、学習や仕事の生産性が向上します。
脳を活性化し、元気にするコーヒーの健康効果は大きいように思えますね。
加えて、コーヒーには寿命を伸ばす効果があるとも指摘されています。
コーヒーには主成分のカフェインだけでなく、フェノール類やポリフェノール類といった「抗酸化物質」も含まれています。
抗酸化物質の効果
抗酸化物質には素晴らしい健康効果があります。
細胞は、酸素を使って栄養素をエネルギーに変換しています。私たちはこのエネルギーを使って生きています。
酸素なしに、数分と私たちは生きていけませんが、酸素にはマイナスな面もあるのはご存知でしょうか?
酸素は必ずその兄弟ともいえる、“活性酸素”という毒物を生じさせます。この活性酸素を分解しているのが、抗酸化物質です。
抗酸化物質は細胞を守る、天使のような存在です。
抗酸化物質とコーヒーの関係性
抗酸化物質を多く含んだコーヒーを飲めば、私たちの寿命は伸びるのでしょうか?
アメリカがん研究所のエリカ・ロフトフィールド博士の研究結果を紹介します。
50万人以上の男女(平均年齢57歳)を対象に、コーヒーを飲む人と飲まない人の寿命を調査したところ、コーヒーを飲む人は、たとえ1日8杯飲んだとしても、まったく飲まない人に比べて、がん、脳卒中、糖尿病など、あらゆる死因において寿命がやや長くなるという結論に達しました。
なお、この結論は、煎ったコーヒーでも、インスタントコーヒーでも、デカフェコーヒーでも変わらない、
とロフトフィールド博士は述べています。
つまり、コーヒーは飲んだほうが私たちの寿命は伸びるということです。
ただし、一般的にアメリカのコーヒーは、日本のコーヒーよりも、かなり薄めなため、アメリカのコーヒー8杯は日本だと4杯くらいに思った方がいいかもしれません。
コーヒーのデメリット
脳を興奮させるコーヒーは、全ての人にというわけではありませんが、ある人には睡眠障害や不安を引き起こすことが知られています。
普段コーヒーをあまり飲み慣れていない人や子供は、2杯(360mL)飲んだだけで、眠りに入るまでの時間が長くなるだけでなく、眠りが浅くなることも確認されています。
また、コーヒーは不安を引き起こすことがあります。
これが、コーヒーに限らず、緑茶、紅茶、などカフェインを含むあらゆる飲み物に共通する問題です。
デメリットへの対処法
体に摂取した異物(コーヒーの場合はカフェイン)が肝臓で分解されて半分になる時間のことを半減期と呼んでいます。
カフェインの半減期は、約4時間と言われていますが、個人差が大きく、実際には2〜8時間という幅があります。
ここでは、分かりやすく半減期を4時間として考えると、コーヒーを飲んでから半減期の2倍に相当する8時間経てば、
体内に存在するカフェインは最初の量の4分の1になります。
したがって、快眠を楽しむためには、ベッドに入る少なくとも8時間前、例えば午後11時にベッドに入るのなら、午後3時以降にコーヒーを飲まないようにしましょう!
コーヒーの依存性
コーヒーは依存を引き起こすことが知られています。その犯人は、コーヒーの主成分カフェインです。
カフェインは依存性薬物と認定されていないので、取り締まりの対象ではないものの、依存を発生させる物質であることに変わりはありません。
コーヒーを飲むと、脳の奥深くにある辺縁系に存在する報酬系というところからドーパミンという物質が放出されます。
このドーパミンが快感と依存を引き起こします。
ただし、コーヒーによって脳内で放出されるドーパミンの量は、覚醒剤、モルヒネ、コカインを摂取した時に比べ、格段に少ないため、コーヒーによる依存は薬物による依存ほど深刻なものではありません。
コーヒーを飲むと脳が覚醒し、仕事はテキパキ、しかも快感が走ります。
これはいいことだ、と思い、飲み続けます。そうするうちに、コーヒーを1日1〜2杯飲むだけだと効果が今ひとつ物足りなく感じるようになってしまいます。
そこで、1日3〜4杯、そして5〜6杯へと増やし、飲み続けることになります。
すると、人間の体は実によくできているので、新しい環境に次第に適応していきます。
日常的に大量(500〜600mg/日、5〜6杯/日のコーヒーに相当)のカフェインを摂取している人だと、
細胞がこの状態に適応し、この量を摂取することが当然となります。
つまり、以前なら1杯のコーヒーで目覚めていたものが、今では2杯か3杯飲まないと同じ効果が得られなくなります。
これを耐性と呼んでいます。
カフェインへの耐性について
もしカフェインへの耐性ができた人が、コーヒーを急に中断すると、頭痛、疲労感、不安、イライラ、震えなどの不快な症状が現れます。いわゆる離脱症状(禁断症状)です。
この離脱症状を避けるために、コーヒーを飲み続けてしまいます。
離脱症状という罰を免れるために、カフェインを摂取するという典型的な依存状態になってしまいます。
カフェインの注意点
カフェインは脳を興奮させ、副腎を刺激してアドレナリンを放出させ、心拍数を上げます。
しかし、心拍数が上がったせいなのか、人によっては心臓の収縮するリズムが乱れる不整脈が起こることがあります。
どんなものでも、過剰に摂取すれば毒になってしまうので、コーヒーの飲み過ぎには注意してください。
それから、カフェインは胃を刺激して胃酸を分泌させます。
朝食を食べずにコーヒーだけを飲むと、消化するものは何もないのに、胃酸だけが分泌されるため、胃が悪くなりやすいです。
空きっ腹にコーヒーは胃に悪いので、注意しましょう!
コーヒーとの付き合い方
ご紹介したように、コーヒーにはメリットとデメリット両方があります。
健康で美しい状態を保ち続けるには、コーヒーとうまく付き合うことが大切です。
特にカフェインの利尿作用による影響はかなり大きいです。
利尿作用によって体の水分が失われてしまうと、血液がドロドロになり、腰痛や頭痛、生理痛、体のだるさ、むくみ、便秘、肌荒れ、肌のハリの低下など、さまざまな症状が現れてしまいます。
コーヒーを1杯飲んだら同じ量の水を飲んで、体の水分を保つようにしましょう!
参考文献:それホントに体にいい?無駄?「健康神話」を科学的に検証する
著者:生田 哲
発行所:株式会社 草思社